読みもの
移住先を探すとき、まず見る3つの数字
文:春風ヨリミチ 2026.09.30
移住先を探すとき、見たい数字はたくさんあります。家賃、子育ての制度、仕事、お店。どれも大事です。
そのなかで、いくつかの町に住んできた自分がまず見るのは、3つだけです。冬の寒さと雪、救急車が来るまでの時間、そして車がどれくらい要るか。理由は単純で、どれも住んでから自分では変えられないからです。家は住み替えられますし、仕事も変えられます。でも、町の冬の寒さや、救急車が着くまでの道のりは、引っ越さないかぎり変わりません。
1. 冬の寒さと雪
このサイトでは、1月の最低気温の平均を「冬の朝の寒さ」の目安にしています。全国1,736の町の真ん中は-0.6℃で、半分以上の町は、冬の朝に0℃を下回ります。0℃を下回る朝が続くと、水道管の凍結対策や、車のフロントガラスの霜取りが、毎朝の用事になります。
ただ、数字だけでは分からないこともあります。気温が同じくらいでも、雪があるかどうか、風が強いかどうかで、体で感じる寒さはまったく違いました。なので、気温といっしょに、雪の深さと「豪雪地帯」の指定も見ておくのがおすすめです。
2. 救急車が来るまでの時間
119番に電話してから救急車が着くまでの時間は、消防本部ごとに公表されています。全国の真ん中は9.6分ですが、短い所では4.7分、長い所では18.7分と、町によって倍以上の差があります。
ふだんは気にしない数字ですが、いざというときに、これほど効く数字もありません。子どもがいる人、親と暮らす人は、特に見ておいてほしい数字です。なお、この数字は消防本部の管内全体の平均なので、消防署から遠い地区ではもっとかかることがあります。
3. 車がどれくらい要るか
通勤や通学に車を使う人の割合は、全国の町の真ん中で77.6%です。地方の町では、車がないと暮らしにくいのがふつうです。
運転が好きかどうか、年を重ねても運転を続けられるか。ここは人によって大きく違います。車を使う人の割合と、駅から1km以内に住む人の割合をいっしょに見ると、その町で車なしの暮らしがどれくらい現実的かが分かります。
数字では分からないこと
数字は入口で、答えではありません。住む前に、できれば現地で見ておいてほしいことがあります。
- 平日の昼だけでなく、夜や休みの日の町の様子
- スーパーが何時まで開いているか
- 車がないと、どこまで行けるか
- ごみの分け方と、指定の袋が要るかどうか(町のサイトで先に見ておくと、引っ越してから慌てずにすみます)
気になる町が決まっていれば、町の名前で調べてみてください。まだ決まっていなければ、9問の問診票から、合いそうな町を探せます。
この文章は、いくつかの町に住んできた運営者の経験をもとに書いています。数字は国や公的機関の公表データです(出典はデータについて)。